ECサイトの運営に関与している人にとって、気になるのはサイトのリピート率ではないでしょうか。企業のSEO担当部署に入ったばかりの人などにとっては、そもそもリピート率とは何なのか、なぜ重要なのかを詳しく理解したいという方も多いはずです。
結論を言えば、リピート率を上げることで収益を安定化させ、さらに宣伝効果を得ることもできます。
今回はECサイトにとってリピート率が重要な理由や、リピート率を上げるための6つの方法をご紹介します。リピート率の向上に苦慮しているのであれば、ぜひこの記事を参考にして売上アップの足掛かりにつなげてください。
ECサイトのリピート率とは
リピート率とは、ECサイトを利用して購入したユーザーのうち、過去に1度以上利用歴のあるユーザーの割合を示した指標です。「過去半年以内にリピートした人の数」に限定する場合もありますが、一般的には期間に制限を設けず、単純なリピートの有無によってリピート率を割り出します。
業界別の平均リピート率
リピート率は、業界によって平均値が異なる特徴があります。以下はあくまでも目安の数字ですが、いくつかの業界の平均リピート率を以下にまとめました。
・化粧品、健康食品:約50%
いずれも消耗品であるため、リピートされる確率が高いジャンルです。定期購入が一般化されていることもあり、すべての業界を含めてもっとも高い平均リピート率です。
・旅行:約45%
旅行サイトには会員情報を登録することが多く、ポイント付与といったサービスも行われています。そのため、こちらもリピート率が高い業界です。
・アパレル:約35%
ブランド力に左右されやすいアパレル業界は、リピート率が約35%とやや高い数字です。リピート率を高めるためには、ブランディングが重要といえます。
リピート率の計算方法
リピート率は以下のように計算します。
リピート率=リピート顧客数÷累計新規顧客数×100
たとえばリピート顧客数が100人で、累計新規顧客数が500人だった場合は、100÷500×100=20%がリピート率です。特定の期間ごとのリピート率を知りたい場合は、リピート顧客数を特定期間の人数に制限して計算しましょう。
ECサイトにおいてリピート率が重要な理由
リピート率が重要な理由は、大きくわけて3つです。
- 収益が安定する
- 取得した顧客情報をもとに、今後の施策を立案できる
- リピート顧客のレビューや口コミが宣伝になる
リピート率を上げる具体策を知る前に、確認しておきましょう。
収益が安定する
リピート率が高ければ、自然と商品を購入してくれるファンからの売上を見込めます。特別なイベントやキャンペーンを実施する必要がありません。
広告費を捻出できなくなったとしても、安定した収益を見込めることがメリットです。
取得した顧客情報をもとに、今後の施策を立案できる
リピートする顧客はどのような属性なのかを分析することで、今後の有効な施策を立案しやすくなります。男性と女性のどちらに好評なのか、どんな年代の人がリピートする傾向にあるのかといったデータを細かく収集・解析することで、売上を向上させる確率が増すのです。
リピート顧客のレビューや口コミが宣伝になる
リピート顧客は企業のファンと言い換えられます。高評価のレビューや口コミを投稿してもらうことや、「リピートしている」というポジティブな情報を拡散してもらうことで、企業の宣伝をすることも可能です。
ECサイトのリピート率を上げる5つの方法
ECサイトのリピート率を上げる方法は、下記の5つです。
- リマーケティングを行う
- SNSで情報を発信する
- 割引・ポイント付与などのキャンペーンを実施する
- 顧客のアフターフォローに力を入れる
- アプリを作成する
項目によっては注意点もあるので、改善策として取り込む前に内容を確認しておきましょう。
リマーケティングを行う
売買を終えたあとも、顧客とのやり取りを継続することをリマーケティングといいます。利用に併せてメルマガへの登録を促したり、SNSのフォローを勧めたり、DMを送信したりといった手段を用いて、リマーケティングを行いましょう。
SNSで情報を発信する
現代では、SNSを活用した情報発信がとても重要です。InstagramやTwitter、Facebookといった媒体でアカウントを運用し、新商品やキャンペーンの宣伝を行いましょう。
割引・ポイント付与などのキャンペーンを実施する
購入額に応じたポイントを付与し、次回の利用時に使えるようにすると、それを目的としたリピーターが増加する確率が高まります。ほかにも、定期的なキャンペーンを実施したり、イベントを開催したりすることで割安感を出し、顧客の購買意欲を高めることも可能です。
ただし、キャンペーンやイベントを継続的に実施することはおすすめしません。常に割引が行われていると割安に感じてもらえず、反対にお店としての信頼を失う可能性もあるためです。割引をするタイミングや理由には、明確な意味を持たせましょう。
顧客のアフターフォローに力を入れる
アフターフォローの有無や内容により、新規顧客がリピーターになるかどうかが決まる場合もあります。
サンクスメールを送信するだけでも印象は変わります。商品の使い方やためになるちょっとした情報を送信することで、「親切なお店」という印象を持ってもらえるでしょう。
アプリを作成する
消耗品のように、短期間で繰り返し購入が必要になる商品を取り扱っている場合は、他サイトにはない独自のサービスを追加することでリピーターを獲得しやすくなります。そのための手段として、アプリの作成は有効な手段の1つです。
アプリならプッシュ通知で定期的な宣伝ができ、コラムなどのコンテンツを気軽に配信できます。
最近では、ARのような技術の活用も可能です。商品を購入すると生活がどのように変わるのかなど、イメージを膨らませるようなアプローチも可能です。
まとめ
リピート率を高めることにより、収益の安定化や有効な施策の立案、宣伝活動の強化といった効果を得られます。そのための方法として、リマーケティングやSNSの活用、キャンペーンの実施、アフターフォロー、アプリの作成などは有効な手段です。
CCMLABOの運営会社「アイビーシステム株式会社」では、ECサイト支援やコールセンターの配置・人材派遣、コンサルティング、アプリ制作といった事業を手掛けています。リピート率を高めるための施策をアウトソーシングでお任せ頂けますので、リピート率に課題を感じておられる場合は、ぜひ弊社にご相談くださいませ。