ザ・カスタマーコミュニケーションマスター 藤井さん

article_035 ダイレクトマーケティング

こんにちは。CCMLABO編集部のヨクキクです。カスタマーコミュニケーションを追求する「人」にフォーカスした特集企画「ザ・カスタマーコミュニケーションマスター」。今回はアイビーシステム札幌センターの藤井さんにお話し伺いました。

データと経験を駆使して受電件数を予測するプロフェッショナル

ヨクキク:藤井さん、本日はよろしくお願いいたします。

藤井:よろしくお願いします。

ヨクキク:藤井さんは、札幌センターで長年SV(スーパーバイザー、以下SV)として活躍されていると伺っていますが、SVとはどんなお仕事ですか。

藤井:主な業務はコールセンターでお客様に応対するAG(エージェント、以下AG)のみなさんをまとめるリーダーとしての仕事です。何時にどれくらい電話が鳴るかを予測して回線をコントロールしたり、AG一人ひとりの電話の様子をチェックして、時には応対をサポートしています。

ヨクキク:何時にどれくらい電話が鳴るかを予測することができるのですか!?

藤井:はい。私の担当するのは、通信販売の受注業務のため、いつどのような広告が放送されるかのスケジュールを把握しておけば、どのくらいお客様からお電話をいただくか、ある程度は予測することが可能です。

ヨクキク:なるほど、広告のタイミングを把握することで、いつ電話が鳴るかの目星をつけるわけですね。でも、電話が多くなるタイミングは予測できても、具体的に何件ぐらい電話が鳴るかまで予測するのは、難しいのではないですか?

藤井:そうですね、確かにタイミングだけで何人のAGに対応してもらうかを判断するのは難しいので、電話の件数については過去同様の広告が放送された時に何件電話があったか等のデータに基づいて予測し、計画を立てるようにしています。もちろん状況によって件数は上下するので、過去のデータをそのまま使うのではなく、状況をよく見極めて件数の予測をするようにしています。

ヨクキク:データと経験を組み合わせて、予測をしているわけですね。

藤井:その通りです。ただ、予測も完璧ではないので、リアルタイムでAGにどの電話をつなぐか回線を調整するようにしています。例えば、A広告経由のお電話とB広告経由のお電話をシステム上で識別して、どちらをどのAGに回すかを1件単位でコントロールしています。

ヨクキク:予測して計画を立てた後、AG個人に任せにするのではなくて、リアルタイム、しかも数件単位でスムーズに電話がつながるように調整されているのですね。まさに長い経験を必要とするプロのお仕事ですね。

努力→達成の小さな成功体験の積み重ねが、現場の問題解決の要

ヨクキク:お仕事をされていて、どのような時に達成感を感じますか?

藤井:コールセンターの現場では生産性が非常に重要です。そのため、クライアントが求めるCPH*の目標を達成できた時は、嬉しいですね。調整の手を抜くと必ずCPHは下がるので、気を緩めずにやり切ることを大切にしています。また、件数だけ増やしても応対品質を落としてしまっては本末転倒ですので、生産性と品質の両立が難しさであり、面白さでもありますね。

*CPH(Call Per Hour)

1時間で何回の着電に応じられたかを示す指標で、生産性の高さを測定する指標

ヨクキク:なるほど。CPHは1時間に何件応対できたかという件数の指標なので、応対品質を下げればいくらでも高い数値を出せてしまう。応対品質を高く保ちながら、生産性についても高い目標を達成することが難しいわけですね。

藤井:はい。回線のコントロールにしても、AGによって得意不得意はあるので、どの回線をどのAGに繋げるかも注意しなければなりません。複雑なオファー*には、経験豊富なAGに対応してもらうことで、細かい内容まで正確に理解していただくなど、求められる応対の質を意識して調整するようにしています。

*オファー

キャンペーンの割引内容や特典などの情報

ヨクキク:お話しを伺っていて、非常に難易度の高いお仕事だな、と感じます。

藤井:そうですね、多くの情報から状況を見極めた上で瞬時の判断も必要になるため、最初は苦戦したのですが、SVとしての経験を重ねるにつれて、調整も上手くなり、生産性を高めるような管理ができるようになってきました。難しいからこそできるようになりたいと思いますし、やり切った時の達成感が好きですね。

ヨクキク:難しい業務に前向きなやりがいを感じる、まさにプロフェッショナルですね。今日は「ザ・コミュニケーションマスター」ということで藤井さんのプロ意識のルーツについてもお話し伺いたいです。

藤井:・・・緊張しますね。(汗)

ヨクキク:いい感じに編集しますので、楽な気持ちで色々お伺いできればと思います。(笑)

藤井:わかりました。

ヨクキク:藤井さんはどのような学生時代を過ごされたのですか。

藤井:部活に打ち込んだ学生時代でしたね。学生時代を思い出しても、部活で練習していたことしか思い出せない。(笑)

ヨクキク:失礼ですが、何部だったんですか?

藤井:吹奏楽部です。パーカッションを担当していました。朝練、昼練、放課後と部活を中心とした生活をしていましたね。吹奏楽部の中でも、パーカッションは複数の楽器を担当する必要があるため、いろいろな種類の楽器の難しさをそれぞれ克服する必要があり、練習に明け暮れていました。その時に、新しい課題を見つけては練習を通じてできるようになっていくことを経験しましたね。

ヨクキク:なるほど、パーカッションは複数の楽器を習得する必要があるので、楽器ごとに異なる課題を見つけて、自分ができるようになるための練習をしなければいけないのですね。

藤井:そうですね。今の仕事でも色々な問題が起きますが、多様な問題も1つずつ解決していくことで前に進むことができると思えるのは、学生時代にパーカッションをやっていたからかもしれないですね。それともう一つ。パーカッションに限らないですが、音楽をやっていると、難しいところは1小節、2小節単位に細かく分解して、できるようになるまで練習する必要があります。逆に言うとそのくらい細かく分解して「練習→達成」を繰り返します。努力をすることで、できないことができるようになることを実体験で確信しているということはありますね。

ヨクキク:なるほど、吹奏楽部時代に培った「努力すればできないことはできるようになる」という自信が、SVの難しい仕事でやりがいを持って活躍できるようになった現在のルーツになっているわけですね。

個人技からチーム戦へ、チームで勝つための努力

ヨクキク:藤井さんはチームを率いる立場ですが、チームマネジメントの観点で気を付けていることはありますか。

藤井:今の仕事では、自分だけができるようになってもダメで、何か問題があったらチーム全体で解決しなければいけません。チーム全体で戦うことを、特に意識しています。

ヨクキク:なるほど、個人技だけではチームの目標達成は難しい、と言うことですね。何か具体的に失敗してしまった出来事があったのですか?

藤井:例えば、クライアントがマーケティング戦略を刷新して、業務の応対方針がガラッと変わってしまったことがありました。私の方で新しい応対方針のトークスクリプトを整理し、問題ないだろうと判断してAGに展開したのですが、目標の受注率に対して90%程度までしか数字が伸びず、目標未達となってしまったのです。

ヨクキク:藤井さんご本人は新しい方針に対応できたのでAGに展開したところ、現場で混乱が起きてしまったということですね。

藤井:その通りです。原因を探っていくと私はAGに「これまでのトーク内容を新しい方針に合わせて調整する」と指示したつもりだったのですが、AGからすると「新しい方針の新しいトーク内容をゼロから覚えなければいけない」という理解になってしまい、これまでの応対してきた内容を使ってはいけない、という勘違いが発生していました。そこで、それぞれが持っているこれまで経験を活かしながら、クライアントの新しい方針に適応することができるように研修を実施し、チーム全体で対応を練習しました。

ヨクキク:藤井さん1人だけでなく、チーム全体で同じ認識を持てるようにしたのですね。結果はどうでしたか。

藤井:結果として、翌月は目標を+20%以上も超過達成を実現しました。これは私の中でも非常に学びになった経験で、最近は、チーム全体で同じ認識を持ち、チームでできないことをできるようになっていくことにやりがいを感じています。

ヨクキク:個人の努力から、チームの努力に視座が上がって、より業務の成果につながる仕事の進め方を意識されるようになった、ということですね。

藤井:はい、その通りです。

最後に

ヨクキク:最後になりますが、藤井さんがお客様との応対、カスタマーコミュニケーションで大事にしていることを教えてください。

藤井:私は常々、AGに「話す1割、聞く9割」ということを伝えています。お客様の話をしっかり聴く、という「傾聴姿勢」を大切にしています。コールセンターでは案内しなければならないことが多く、つい自分の都合で多くの情報を一方的に話してしまいがちです。お客様としっかり対話することによって、よりお客様に合ったご案内ができ、良い応対ができるようになりますので、「傾聴」をしっかり行うことを私自身も大切にし、また一緒に働く仲間にも、大切にして欲しいと思っています。

ヨクキク:藤井さん、本日はありがとうございました。

藤井:ありがとうございました。

藤井光さんプロフィール) アイビーシステム株式会社 札幌センター スーパーバイザー。複数のコールセンター勤務を経て、アイビーシステム入社。通信販売窓口の管理業務を行っている。より良いお客様対応ができるように日々改善に努めている。

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