自社ブランドを本当に愛してもらうには?出会いを大切にするカスタマーコミュニケーション事例を紹介

picture_article_001 ダイレクトマーケティング

通信販売事業のオフラインマーケティング施策としてTVで商品を紹介し、電話で申し込みしてもらうという形態のキャンペーンがよくあります。キャンペーン計画の際に、申し込みの電話をただの事務手続きだと思っていませんか?今回は、初回申し込み時の電話応対によってお客様に自社ブランドを本当に愛してもらう方法を事例とともに紹介します。

初回申し込みというお客様との出会いの場を大切にする

すべてのお客様がファンになってくれる可能性を持っている

通信販売において、広告には商品を知ってもらう、商品の良さを伝え、欲しいと思ってもらうという役割があります。一方コールセンターは商品が欲しいと思ったお客様のお申し込みを受け付けるという役割を担います。

つまり、コールセンターで対話をするタイミングではお客様はすでに商品を買いたいと思っているわけです。これは非常に大切なことで、欲しくもない商品や、ましてや興味さえない商品であればわざわざ電話をかけてくることはありません。

コールセンターにお電話いただいたお客様は自社と自社ブランドを愛してくれる人=ファンになってくれる可能性を持っていると言えます。

同時にお客様は期待と不安を持って電話をかけてくれています。この商品が欲しいと思っている、しかし、本当に自分が求めている商品だろうか、自分に合う商品だろうかという思いを持って電話をかけてくれています。

コールセンターはお客様が初めて対話する会社の顔

そんなお客様と初めて肉声で対話をするコールセンターはまさに会社の顔であり、対話の内容によって自社のファンになることも、その反対に自社を嫌いになってしまうこともあるのです。
ですから、コールセンターでお受けする初回申し込みをただの事務作業として処理するのではなく、お客様との対話の中で、自社のことをよりよく知ってもらう絶好のチャンスと捉えるべきなのです。

コールセンターの「現場」を知る

商品申し込みを受け付けるコールセンターの「現場」

コールセンターではお電話が繋がり対話が始まると、まずお電話をかけていただいた御礼をお客様にお伝えします。次にお客様に商品のことをご説明します。そしてお申し込みのご意向を確認し、商品の個数や、1回のみのご購入か定期購入かなどの確認をして、ご注文を承ります。

もちろんたくさんのお客様からお電話をいただきますので、お一人、お一人順番に対応させていただくのですが、ここで問題が起こります。より多くのお客様とお話しするためには一人のお客様との対話を短くするしかありません。しかし、商品を正しく理解してもらうためにはきちんと時間とってお客様に応対する必要があります。

コールセンターの現場では、お客様とじっくりお話ししたい、しかし、より多くのお客様とお話ししたい、という相反する二つの思いを毎日抱えることになります。

事件は「現場」で起きている?現場のストレスがお客様のストレスに

この「1件の電話にどれくらいの時間をかけて良いのか」という点をコールセンター全体で意思統一をしておかないと、管理者の間で評価軸がぶれてしまい、オペレーターのストレスにつながります。

丁寧に説明するように指示を受けてじっくり時間をかけていたら、他の管理者にもっとテキパキ対応するように、といった注意を受ける、こういったことはよくあります。

会社の顔であるコールセンターのオペレーターがストレスを感じながら応対すると、そのストレスがお客様に伝わり、お客様のストレスになってしまいます。初めて対話したときストレスを感じたお客様が自社のファンになってくれることはありません。

お客様に伝えたいことは何かを考え抜くことが大切

「伝えたいことは伝わっているか」、の前に「何を伝えたいのか」が重要

通常コールセンターではお客様と対話する内容をあらかじめ整理しておきます。何をお伝えしなければいけないのか、お客様からどのようなご質問をいただくかを事前に想定して回答を用意します。そしてオペレーターは事前に整理した内容をお客様に伝えられるようにお客様の理解を確認しながら対話を進めます。

しかし、伝えたい内容がいくつもあり統一されていない、ということがよくあります。応対の内容を整理する前に、何が伝えたいのかポイントを絞り込みシンプルなメッセージに落とし込むことが重要です。

自社のブランドとお客様との関係をどのように築いていくか

当然ビジネスですからより多くのお客様に自社商品を販売したいと考えます。しかし、お客様とのコミュニケーションにおいてはさらにもう一段深く考える必要があります。

多様な商品があり、とにかくいろいろ試して自分に合う商品を見つけて欲しいというブランドであれば、深く考えずにまず使ってもらうために価格などのわかりやすいメリットを訴求するのがよいでしょう。反対に継続的に利用しないと効果ないような商品の場合には、商品の考え方、商品の良いところだけでなく、注意した方がいい事項を正確に伝えて納得してもらった上で一定期間使用してもらう必要があります。

自社とお客様との関係性をどのように築いていきたいのかという視点からお客様との出会いの場である初回申し込み時のコミュニケーションを設計することが重要です。

CASE:健康食品会社様の定期購入率引き上げ施策

今回はCCMLABOの運営会社であるアイビーシステムでどのように初回申し込み時のコミュニケーションを設計するのか、事例をご紹介します。

徹底的に議論してメッセージを決める

今回の事例でご紹介する健康食品会社様はお客様の身体の問題に即効性のある薬のような商品ではなく、身体を内側から改善していくような商品を主力にしていました。

そこで、あるキャンペーンの受電業務をお引き受けした際、担当者様と1回のキャンペーンだけでなくブランド戦略、中期計画を徹底的に議論して、商品を継続的に利用してもらうとどのように健康になるのかを訴求する方針に決定しました。

あえて、お客様とじっくりコミュニケーションをとることにこだわる

先述のとおり継続的に利用してもらうためには、商品の考え方、商品の良いところ、注意事項などを正確に伝えなければなりません。したがって、特にお電話の時間にこだわりました。

1件あたりの時間を長く設計し、お客様ときちんと対話することができる環境を用意したことで、初回申し込み時から定期購入を選択してくれるお客様が従来比200%になりました。

漠然と矛盾するKPIを追いかけるのではなく、ブランドを深く理解して戦略的に注力する事項を決めることで、信じられないような成果につながったのです。

まとめ

通信販売事業においてコールセンターは会社の顔です。特に初回申し込み時のお電話はお客様との出会いの場になります。自社ブランドとお客様はどういう関係性になりたいのかを徹底的に話し合い、電話での応対で何を伝えるか決める。そして決めたことを全員で徹底することで、お客様に本当に愛してもらうことができるのです。

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