コールセンターの業務は主に発信と受電の2つに分かれ、問い合わせや契約の申込み、サポートといった受電を「インバウンド業務」と呼びます。インバウンド業務の質を高めることにより、顧客満足度の向上やリピーターの増加を見込めるため、成功させるためのポイントを押さえることが重要です。
この記事では、インバウンド業務の例や成功に導くための5つのポイントをご紹介し、効果的なコールセンターの運用方法を解説します。
コールセンターのインバウンド業務とは?
コールセンターで顧客から受電し、新規顧客の獲得、既存顧客からの収益アップ、そしてリピーターの増加を目的とした対応を行うのがインバウンド業務です。契約・解約の申込みを受けたり、問い合わせやサポートに対応したり、電話を取り次いだりなど、業務内容は幅広いものです。
インバウンド業務が受電であることに対し、営業やマーケティングを能動的に行う業務のことを「アウトバウンド業務」と呼びます。さらにわかりやすく解説しますと、電話に出て応対にあたるものがインバウンド業務、電話をかけて営業などの活動を行うものがアウトバウンド業務です。
アウトバウンド業務については以下の記事もご覧ください。
コールセンターのインバウンド業務の例
インバウンド業務における主な仕事内容は、これから解説する5つです。企業への信頼度に直結するものも多く含まれますので、最新のシステムを整え、技術の高いオペレーターを採用・配置することが求められます。
商品やサービスへの問い合わせ対応
広告やホームページを見て商品やサービスに興味をもった顧客が、コールセンターに電話をかけて問い合わせをすることがあります。インバウンド業務ではこのような問い合わせに対応し、商品やサービスについて具体的に説明したり、資料送付の手続きを行ったりします。
総合案内
会社そのものに対するさまざまな問い合わせの窓口となり、総合案内をすることも重要なインバウンド業務の一つです。顧客からの電話を受け、内容を分析し、もっとも適切な担当部門へと電話を取り次ぐという作業が中心です。
契約・解約申込み対応
顧客からの注文を受けて契約を進める際の窓口になったり、解約の申込みに応じたりすることもインバウンド業務にあたります。とくに通信販売においては重点的に強化すべきポイントとなり、効率的に受注・処理できる人材を配置すると効率的です。
クレーム対応
不手際などがあった場合のクレーム対応もコールセンターのインバウンド業務で行います。クレーム対応は企業にとって非常に重要です。対応次第で鎮静化することも、さらに炎上することもありますので、顧客目線で適切な対応ができるオペレーターの配置を行いましょう。
商品やサービスに関する技術的なサポート対応
顧客への技術的なサポートもコールセンターで行う場合があります。一例としてコンピュータに関連する企業であれば、セットアップや接続の方法を案内することが主な業務内容です。オペレーターには、商品・サービスへの知識はもちろんですが、円滑にコミュニケーションを取る能力も求められます。
コールセンターのインバウンド業務を成功させる5つのポイント
コールセンターのインバウンド業務では、原則としてオペレーターは一人で顧客に対応しますので、成功させるためにはポイントを押さえることが重要です。
ポイントを5つにまとめましたので、コールセンター始動前に確認しましょう。
お客様対応のマニュアルを作成する
オペレーターは原則としてその場で顧客対応をします。持ち帰って相談ができませんので、オペレーターが想定していない質問やクレームの電話があった際、スムーズに対応することが困難です。そのため、対応マニュアルを作成することが重要なポイントです。
お客様からの質問への回答例や、回答に困った際の対処法などのトークをマニュアル化することにより、業務に慣れていないオペレーターでも正確な対応を行いやすくなります。また、コールセンター全体のレベルを底上げし、ムラのない対応ができるようになることもメリットです。
お客様の気持ちに寄り添った対応を徹底する
お客様からの問い合わせ内容に対して的確に対応することはもちろん、プラスアルファの対応ができるよう徹底することも意識しましょう。会話の中から問題点を探ることで、顧客のロイヤルティを高めるきっかけにできますし、商品やサービスの改善点も洗い出せます。
適切なKPIを設定する
インバウンド業務におけるKPIは、応答品質・業務効率・顧客満足度の3点で考えることが大切です。それぞれの主な内容と、目指すべき指数の例を表にまとめました。
どのKPIを重視すべきかは、会社の業務内容や課題に応じて異なります。まずはコールセンターの運用を行い、どの部分に問題があり、何が課題になっているのかを明確化しましょう。課題を洗い出し、改善策を生み出した上で、状況に応じてノルマ設定を行うことが大切です。
オペレーターの教育・研修に力を入れる
コールセンターのオペレーターは、会社全体の頭脳として働きます。そのためには、オペレーターにも商品やサービスの知識を取り入れてもらうことが重要です。教育や研修を徹底して行うことや、作成したスクリプトが機能的かどうかロールプレイングで検証することが成功させるためのコツです。
IVRやチャットボットを導入するのも一つの手段
IVRやチャットボットといったツールを取り入れることも一つの手段です。IVRとチャットボットの特徴は以下のとおりです。
IVR:最初の電話対応を自動音声で行い、着信先を振り分けられる
チャットボット:問い合わせを自動のチャットで受け付け、対応不可の場合に電話へ誘導する
これらのツールを活用することにより、総合案内などのオペレーターを削減できます。また、オペレーターが顧客に対応する時間も減り、集中力を維持しやすくなるといった効果にも期待できます。
コールセンターのインバウンド業務は委託できる
コールセンターのインバウンド業務は、対応の質に応じて顧客満足度が大きく変動する非常に重大な仕事です。しかし、新設・拡大する場合は、未経験者や自社商品・サービスに明るくない新人を即戦力として採用しなければなりません。
したがって、インバウンド業務は専門会社に委託することがおすすめです。作業に慣れたオペレーターによる対応が可能になることに加え、マニュアル作成やKPI設定、既存スタッフの教育・研修といった作業も行えますので、インバウンド業務を通じて会社全体の価値を高められます。
まとめ
コールセンターのインバウンド業務は、顧客からの問い合わせや契約・解約、クレーム、そしてサポートに対応する業務です。成功させるためには、的確なマニュアルを用意し、お客様の気持ちに寄り添えるようオペレーターを教育・研修することが必要です。
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AIによる顧客のおもてなしについては、以下の記事もご覧ください。