フルフィルメントとは?メリット・注意点やサービス導入のタイミングを解説

article_20 BPO

英語で「業務遂行」といった意味をもつ言葉の「フルフィルメント」は、入荷管理から返品対応まで一任できる業務として注目を集めています。事業の立ち上げ直後から質の高いサービスを提供できることが大きなメリットですが、反対に懸念すべきデメリットはあるのでしょうか。

フルフィルメントに含まれる業務内容について詳しく触れながら、メリット・注意点、導入に適したタイミングなどをご紹介します。

フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、通販やECサイトにおける受注から発送、アフターサポートまでの一連業務を指す言葉です。英語では「業務遂行」といった意味をもっており、業務効率の向上から顧客満足度アップ、そしてコスト削減を目指せます。

似たような考え方として3PL(3rd Party Logistics)がありますが、3PLの委託内容は物流業務に限られることが一般的であることに対し、フルフィルメントは物流業務だけでなく、コールセンター業務から決済まで、より幅広い業務を委託できます。

フルフィルメントに含まれる業務

まずはフルフィルメントに含まれる業務内容を確認していきましょう。基本的な業務内容は、入荷管理発送までです。

入荷管理・検品作業

メーカーなどからの入荷を確認し、商品の内容や数に誤りがないか検品作業を行います。正確性が求められる作業になるため、ハンディターミナルをはじめとした機器やシステムを活用して検品作業を行うことも珍しくありません。

棚入れ・商品の保管

倉庫内で棚入れを行い、発送作業がしやすいように整理整頓します。また、顧客からのオーダーが入るまで商品の保管も実施し、破損や劣化などが起こらぬように細心の注意を払いながら管理します。

受注処理

顧客からのオーダーが入った後は、受注処理を行い、出荷に向けた準備を整えます。在庫管理システムなどを活用しながら受注管理を実施するため、在庫のない商品を販売してしまったり、誤った商品を発送してしまったりといったミスはまず起こりません。

ピッキング

システムによって出荷処理が行われた商品を取り出すピッキング作業を行います。重量のある商品の場合はフォークリフトを活用するなどしており、商品移動時の破損も徹底して防ぐことが可能です。

流通加工・検品作業

商品の内容次第では、ピッキング後に値付けや箱詰めといった梱包作業、組み立てを依頼することも可能です。商品の品質や内容に問題がないかどうかを検品作業で最終確認し、発送の行程へと移ります。

発送

流通加工・検品を終えた商品を配送業者に受け渡し、発送します。発送完了後、顧客に向けて伝票情報等をメールで送信し、基本的なフルフィルメントの業務は終了です。

決済業務

キャッシュレスサービスの浸透により利用頻度は減少していますが、代金引換による決済を希望する顧客は依然として少なくありません。代金の回収は宅配業者などが行いますが、この代金を一定期間管理する決済業務もフルフィルメントで委託できます。

返品処理・顧客対応

ECにおいて返品は付き物であり、場合によってはクレームを受ける可能性もあります。いずれも従業員にとって肉体面・精神面で大きな負担となりますが、この作業も対応に慣れたオペレーターなどに委託することが可能です。

フルフィルメントサービスを導入する3つのメリット

フルフィルメントサービスを導入することで、一連業務を委託することが可能です。フルフィルメントサービスの導入によって生じる3つのメリットを、それぞれ詳しく解説します。

業務効率が向上する

フルフィルメントでは、先ほどご紹介したように入荷管理からアフターサポートまで多くの作業に対応可能です。フルフィルメントを導入することによって、既存従業員が担当する仕事を限定し、業務効率化を図れます。

顧客満足度(CS)アップに繋がる

すべての作業を専門的なスタッフが対応しますので、これまでと比較して対応が早くなり、作業の正確性が増す可能性も高まります。結果的に顧客満足度アップに繋がり、リピーターを獲得することも可能です。

コスト削減に繋がる可能性がある

人材や倉庫の管理などを一元化することで、コスト削減に繋がる可能性もあります。ただしサービス利用の費用はかかりますので、自社でフルフィルメントを担う場合の労力とコスト、委託する場合のコストを比較し、利益の大きい方を選びましょう。

フルフィルメントサービスを導入する際の3つの注意点

フルフィルメントサービスを導入する上では、いくつかの注意点があります。とくに考慮すべき3つの注意点について詳しく解説しましょう。

自社内にバックヤード業務のノウハウが蓄積しない

原則としてすべてのサービスを委託先が担います。自社スタッフの経験を増やせないため、サービス解約後にバックヤード業務のノウハウが残りません。

商品の状態をリアルタイムで把握できない

商品の管理先は、自社から委託先の倉庫へと移ることが一般です。そのため、商品の状態や数をリアルタイムで把握できません。

顧客の声(VOC)を聞く機会が減少する可能性がある

業務を一任できることは大きなメリットですが、裏を返せばお客様と直接的に接する機会が減ってしまいます。顧客の意見を多く取り入れるためには、アンケートなど別の取り組みや工夫が必要です。

フルフィルメントサービスを導入すべきタイミング

フルフィルメントサービスは、導入するタイミングを選ぶことも大切です。とくに効果的なタイミングとなるのは以下の2点です。

ECサイト・通販事業を始めたばかりのとき

ECサイトや通販事業を開始する際は、不慣れな作業によって本業がなおざりになったり、倉庫の確保に苦労したりする場合があります。そのようなタイミングは、フルフィルメントサービスを導入する時期として最適です。

物流コストで利益が圧迫されているとき

販売そのものが順調だとしても、自社で運営しているフルフィルメントによって工数と時間がかかり、利益が圧迫されることもあります。そのようなタイミングでは、自社運営のコストと外注コストを比較し、メリットがあると感じた場合に外注を検討しましょう。

フルフィルメントサービスを導入する前に確認すべき3つのポイント

フルフィルメントサービスを提供する会社は多く存在します。会社選びによって顧客満足度にも影響が及びますので、以下の3つのポイントを意識して優れた会社を選びましょう。

目的を明確にしておく

まずは何を目的にフルフィルメントサービスを利用するのかを明確にします。委託する会社によって対応できる業務内容が異なりますので、希望するサービスを高レベルで提供する会社を選びましょう。

サービスに見合った料金設定の会社を選ぶ

料金設定も会社によってさまざまです。本当にサービスに見合った料金なのか、サポート体制が整っているのかどうかなども考慮しながら、コストパフォーマンスが優れた会社を選びましょう。

依頼前に商品の保管環境を確認する

商品を保管する場所が高温多湿な環境にある場合や、異様に寒い場所にある場合などは、保管中に商品が破損・劣化する恐れがあります。きちんとした環境で商品を保管できる会社なのかどうかを確認し、可能な場合は見学を申し込みましょう。

まとめ

フルフィルメントサービスを導入することにより、入荷管理からアフターサポートまで専門会社に一任できます。業務効率化や顧客満足度のアップ、コストの削減といったメリットを得ることが可能です。

フルフィルメントを戦略的な顧客接点としてトータルコーディネートする方法については、以下の記事もご確認ください。

CCMLABOの運営会社アイビーシステムでは、ECショップ構築の段階からサポートを実施でき、ここでご紹介したすべてのフルフィルメントサービスを提供できます。クレーム対応を含めたアフターサポートもお任せいただけますので、質の高いフルフィルメントサービスをお求めの場合は、ぜひご相談ください。

タイトルとURLをコピーしました