ECを始めてみたものの・・・。ECで商品が売れないときは店舗とECの違いを意識しよう!

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いまやインターネットで商品を販売するのは当たり前、と思ってECを始めてみたら商品が売れないというのはよくある話です。たまに入る注文で手間だけが増えてしまうといったケースも。店舗では好調だった商品がECでは売れないときは、店舗とECの違いを意識して売り方を工夫する必要があります。今回は店舗とECの違いやECで売り方を工夫して成功した事例を解説します。

ECの強みを正しく理解する

ECが昨今のように普及したのには、当然理由があります。ECにはどんな強み=いいところがあるのかを整理してみましょう。

外出しなくても買い物ができる

ECの最大の強みは外出をしなくても買い物ができるということです。外出が面倒と感じる人は少なくありません。アクティブな人でも自分の行動エリアの中にない店舗まで足を伸ばすとなると「めんどくさいな」と感じると思います。

また、現在は小売店も多様化・細分化しているため、いくつものお店を回らなければならない、どこに売っているかわからない、ということもあります。

外出しなくても買い物ができるというのが、ECの最大の強みといえます。

世界中の商品が買える

外出しなくても買い物ができる、ということは移動距離を考えなくて良いということです。ECを使えば国内の離れた場所はもちろん、外国の商品も買うことができます。遠く離れた場所から自分の家に商品を運ぶ手段を用意しなくても良いということもECの強みです。

検索ができるので欲しい商品を見つけやすい

欲しい商品を店舗で買おうとすると、どこのお店に売っているのかはもちろん、どの売り場に売っているのかを自分で見つけなければいけません。ECでは検索ができるので、欲しい商品をすぐに見つけることができます。

また、具体的な商品名がわからない時でもキーワードで検索することで欲しい商品を見つけることもできます。

買う前に商品の感想を調べることができる

初めて買う商品の場合、その商品が本当に期待する物なのか不安になります。店舗では店員に聞くなどして情報を集めますが、店員は多少なり自分のお店の商品について良い部分を強調します。

ECでは実際に商品を買った人の感想をレビューなどで確認することができ、良い感想と悪い感想を両方比較することができるので、初めての商品を買う際の不安を軽減することができます。

比較がしやすい

A店とB店に似たような商品がある場合、どちらを買おうか迷うことがあります。店舗では(もちろん)商品をお店の外に持ち出すことはできないので、特徴を記憶・記録しておいて頭の中で比較しなければいけません。

時間もかかりますし特徴を正しく理解する必要があります。ECであれば商品ページを並べて比較することができるので短い時間で十分に比較して商品を買うことができます。

店舗の強みは体験という価値を提供していること

ここまではECの強みを列挙しましたが、店舗にも良いところがたくさんあります。

顔が見える人から買うという体験ができる

店舗では店員から商品を買うことができます。直営店などでは商品を売っている人=商品を作っている人というケースも多くあります。どんな想いで商品を作ったのか、商品を買った人どのように使って欲しいのかという話を直接聞くことができるわけです。

商品の価値は購入して使用することだけではありません。その商品にまつわる体験そのものが商品の価値になります。店舗では体験を提供できることが最大の強みといえます。

商品を手に取って確認することができる

当たり前のことですが、店舗に足を運べば商品の実物が置いてあります。形、重さ、手触り、ときには匂い。商品を手に取り、五感で商品を確認することができることはECにはない店舗の強みです。

試着・試食・試飲ができる

店舗では商品を試す、ということができます。初めて買う商品に不安はつきものです。先述のとおりECではレビュー等で不安を軽減できますが、自分がその商品を試しに使ってみることはできません。

衣料品であれば試着、食品であれば試食、飲料であれば試飲。自分の体験として商品を試してみることができることは店舗ならではの良いところです。

欲しい瞬間に手に入る

最近のECは本当に進化していて、早ければ当日商品が自宅に届くという驚異的な物流スピードになっています。しかし、どこまで物流が進化してもいまこの瞬間に商品が手に入るということはありません。いま必要、いま使いたいという商品を手に入れるには店舗に足を運ぶしかありません。

現金が使える

ECでは通常クレジットカードで決済します。しかし、現金で支払いたいという人も一定数います。店舗では確実に現金での支払いができるため、店舗を好む人も一定数いるということになります。

店舗で培った販売ノウハウをECに導入する方法

店舗では売れている商品がECでは売れないと言う場合には店舗の強みをECに導入することが有効です。具体的な方法をご紹介します。

店舗に負けないリッチなコミュニケーション方法

商品ページに想いを詰め込む

商品ページを工夫することで、顔が見える人から商品を買うことができるという店舗の強みをECに導入することができます。

  • 誰が作った商品なのかを伝えるために生産者の顔写真やプロフィールを載せる
  • 商品開発秘話や商品に込めた熱い想いを記事にする
  • 商品の使い方、注意点を分かりやすくまとめる

商品について店員と話すことの安心感を商品ページに再現するのです。

お客様の動きを捉えてお店から「お声がけ」をする

店舗であればお客様が困っているかどうか目で見て確認することができます。お客様と直接会話することができれば、この商品にどれくらい興味を持っていて、何に困っているのかを聞きお客様が求めている情報をお伝えすることができます。

ECではお客様が商品の前で悩んでいる様子を直接目で見ることができません。しかし、お客様がwebサイト上でどのような行動したかはgoogleアナリティクスなどの行動分析ツールを使うことで、細かく分析できます。さらに、店舗で培ったノウハウからこの商品についてお客様が興味を持つポイント、疑問に感じるポイントなどを整理してメールを用意しておきましょう。そして商品ページを見たが直帰してしまったお客様にこのメール、カートに入れたが購入せずに削除してしまったお客様にはこのメール、といった具合にお客様の状態、興味の強さに応じてこちらから「お声がけ」するのです。

このような施策をステップメール施策といいます。ECの売上アップに非常に有効な施策です。

不安を抱かせない仕組みを作る

商品について質問できるようにする

ECでは店員に質問するということができません。お客様はわからないことがあるとその商品を買うことを諦めてしまいます。しかし、店舗で培ったノウハウが活かす方法があります。Q&Aページを作ることです。お客様から質問されることが多い内容をQ&Aにまとめて公開すればお客様は商品について質問するのと同様に情報収集ができます。

さらにEC上で質問できるようにしてしまうというやり方もあります。チャットシステムをECに埋め込みお客様からの問い合わせに対応するのです。Q&Aと比べてチャットを用意するには運用コストはかかりますが、お客様の不安は解消する効果は高いため、より売上アップが期待できます。

さらにEC上で質問できるようにしてしまうというやり方もあります。チャットシステムをECに埋め込みお客様からの問い合わせに対応するのです。Q&Aと比べてチャットを用意するには運用コストはかかりますが、お客様の不安は解消する効果は高いため、より売上アップが期待できます。

手に取らなくてもイメージできるくらいの写真を用意する

お客様の触覚や嗅覚に訴えかけることができないのであれば、視覚の情報をリッチすることが効果的です。商品をいろいろな角度から撮影したり、実際に使用している様子を撮影したりして、たくさんの写真を載せることでお客様の不安を軽減できます。

お試し商品で実際に試してもらう

試着・試食・試飲ができない代わりに、ECで購入できるお試し商品を用意してお客様に実際に商品を試してもらうことも有効です。通常の商品より量を少なく、価格も安くしてお客様にまず一回試してもらうことができれば、商品の良さを確実に伝えることができます。

決済方法の幅を広げる

多様な決済方法を用意する

ECはクレジットカードというイメージがありますが、決済サービスの中には代引きや後払いができるものもあります。現金で支払いたいというニーズに応えられるよう、多様な決済方法を用意することが大切です。

成功事例

CCMLABOの運営会社であるアイビーシステムではECで人気商品作るお手伝いをしています。今回は上記のような施策を実施した成功事例をご紹介します。

食品メーカーA社様では自社商品を製造して直営店で販売していました。販路を拡大するために自社ECを構築したのですが、会員数が増えても直営店で一番人気のある「健康に効果のある塩麹」がECで全く売れなかったのです。

直営店では人気の商品がなぜECで売れないのか。その原因は店舗とECの違いを意識せずに販売していたことにありました。アイビーシステムが分析したところ具体的には2つの問題があったのです。

1つ目はお客様とのコミュニケーションの問題です。塩麹は他の食材と一緒に料理するものです。直営店でお客様と店員が会話している内容をヒアリングしてみると、どのように料理に使うのか、という質問が圧倒的に多いことがわかりました。ところがECサイトの商品ページでは健康に効果があるという内容が全面に押し出され、お客様の知りたい情報が欠落していたのです。

2つ目は商品のパッケージングの問題です。身体を内側から健康にするような商品は継続して使用しないと効果が実感できないこともあるため、一定期間使い続けられるような大容量のパッケージにして販売していました。量が多いため値段が高くなり、気軽に買えない商品になってしまっていたのです。

そこでA社様と改善案を検討し、2つの問題に対処する施策を実施しました。

まずはコミュニケーションの改善です。お客様が十分に塩麹を楽しんでもらえるレシピを集め、商品のファンになってくれたお客様の感想とともに定期的にメールでお届けするようにしました。直営店では伝えることができていたお客様の知りたい情報をECならではの方法で発信することにしたのです。

次に、容量を小さくして値段を抑えたお試しパックの販売を開始しました。まずは商品を使ってもらい、メールでの情報提供を通じて、時間がかかっても確実にファンになってもらおうと考えたのです。

もともと直営店では人気No.1の商品です。商品自体には力があります。2つの施策を実施することで、売上は大幅にアップし、ECでも看板商品にすることができました。

このように、ECで商品が売れないときは店舗との違いを意識した施策を実施することが大切なのです。

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