CDPとDMPは何が違う?目的・利用者・扱うデータ・保存期間の違いを解説

article_053 いまさら聞けないマーケティング用語

CDPとDMPはいずれもデータを収集し、結合させるプラットフォームです。しかし、この2つの違いが分からずに悩んでいる方は多いかもしれません。結論として、CDPとDMPは利用目的や利用者、扱うデータ、データの保存期間などが異なります。今回は、それぞれを比較・解説し、どちらを選ぶべきなのか結論付けてお伝えします。

CDP・DMPとは

CDP・DMPはいずれもデータを収集し、結合させるプラットフォームです。しかし、それぞれ利用目的や利用者、扱うデータ、データの保存期間などが異なります。まずは双方の概要をご紹介しますので、確認してみましょう。

CDP(Customer Data Platform)

CDPは、企業が蓄積している顧客に関するデータを管理する基盤です。社内でバラバラになりがちな顧客データを統合して一元管理できるため、顧客をより深く分析し、的確な訴求を行えます。DMPと比べて、よりデリケートな情報を扱うことが特徴的です。

DMP(Data Management Platform)

DMPは、インターネット上のデータを管理して、広告の最適化のために利用する基盤です。DMPの種類は以下の2つに分けられます。

【DMPの種類】

パブリックDMP3rd Party Dataを集積し、個人の特定を行わない
プライベートDMP1st、3rd両方のデータを集積し、同一ユーザーの特定も行う

プライベートDMPは属性単位で分析を進められることが特徴で、これが個人単位で分析を行うCDPとの違いです。たとえばCDPでは「HPに訪問した顧客が誰か」を特定できることに対し、プライベートDMPでは「特定のカテゴリに興味を持つ顧客が何人いるか」といった分析を行えます。

CDPとDMPの「利用目的」の違い

CDPとDMPの違いとして最初に挙げられるのが、利用目的です。結論としては、CDPがあらゆるマーケティング施策に対応できることに対し、DMPは広告に特化しています。双方の特徴をより詳しく見ていきましょう。

CDPの利用目的:あらゆるマーケティング施策

CDPの特徴は、あらゆるマーケティング施策に利用できることです。CRMやアドテクノロジー、マーケティングオートメーションと連携できます。たとえば特定のユーザーがECサイトで何を購入したのか、どんな商品に興味を持っているのかといった情報と年齢・性別などの属性を結び付け、より良好な関係を築くためのヒントとして活用することが可能です。

DMPの利用目的:広告特化

DMPは広告配信に特化しており、広告のターゲティングやメディアバイイングの効率化に役立てるためのものです。とくにパブリックDMPは、自社が蓄積していないユーザー情報を収集して活用できるため、新規顧客開拓に向けた広告戦略に活用できるでしょう。

CDPとDMPの「利用者」の違い

CDPの利用者が社内のあらゆる関係者であることに対し、DMPの利用者は自社のマーケティング担当者に限定されることが一般的です。それぞれの特徴をご紹介します。

CDPの利用者:社内のあらゆる関係者

CDPは、社内のあらゆる関係者が利用します。マーケティングや営業などの部署を筆頭に、グループ会社間などでもデータを活用し、全社で分析・改善策を打ち出すことが特徴です。

DMPの利用者:マーケティング担当者

DMPの利用者はマーケティング担当者に限定されます。先述したとおり、DMPは広告の最適化に特化していることが特徴的です。そのため、マーケティング以外のスタッフがDMPを利用することは原則としてありません。

CDPとDMPの「扱うデータ」の違い

CDPとDMPは扱うデータの種類も違います。CDPは自社で取得したデータを、DMPは自社以外で取得したデータを扱うことが特徴的です。必然的にデータを活かせる戦略が異なるため、違いを詳しく確認しておきましょう。

CDPの扱うデータ:自社で取得(1st Party Data)

CDPの扱うデータは、自社で取得したデータのみです。たとえば会員登録時に取得した氏名や住所、Eメールアドレス、電話番号といったデータが該当します。とくに、既存顧客との関わりを深めたい場合に有効でしょう。

DMPの扱うデータ:自社以外で取得(3rd Party Data)

DMPの扱うデータは、自社以外で取得する匿名化されたデータに限られます。CDPのように、個人を特定する情報を扱うことは原則としてありません。新規顧客を開拓したい場合に役立つことが特徴的です。

CDPとDMPの「データ保存期間」の違い

CDPとDMPの違いとして最後にご紹介するのは、データ保存期間です。CDPには基本的に制限がありませんが、DMPは最大6ヶ月程度でデータを失います。それぞれ詳しくご紹介しましょう。

CDPのデータ保存期間:基本的に制限なし

CDPのデータには、基本的に保存期間の制限がありません。顧客の生涯を通して分析することにより、より細やかな傾向をデータとして収集でき、精度の高い訴求に活かせます。

DMPのデータ保存期間:短期間(最大6ヶ月程度)

DMPの主な目的な広告のターゲティングであるため、データ保存期間は最大6ヶ月程度と短期間です。市場の需要は頻繁に変化するため、定期的にデータを更新することで精度の高いマーケティングにつなげます。

CDPとDMP、どちらを選べばいい?

CDPとDMPの特徴を整理すると、それぞれ以下の目的を持つ企業に適しています。

【CDPとDMPの比較表】

種類利用が適している企業
CDP・すでに一定以上の顧客データを保有している企業・既存顧客との関係を深めたい企業
DMP・新しくECを開始する場合など、自社が持つ顧客データが少ない企業・市場における需要をリアルタイムで収集してマーケティングに活かしたい企業

既存顧客が多ければCDPを、そうでなければDMPを選ぶと良いでしょう。CDPとDMPは特徴が大幅に異なるため、自社に合ったものを利用することが大切です。

まとめ

CDPとDMPは利用目的や利用者、扱うデータ、データの保存期間が異なります。顧客データが豊富で既存顧客との関係を深めたい場合はCDPを、新規顧客を開拓したい場合はDMPを選ぶと効果的です。

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