CXは、満足度の高いサービスを提供するために近年注目されているワードです。しかし、CXの意味やCSとの違いについて理解している人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、コールセンターにおけるCXの重要性についてご紹介します。CX向上のためのデータ分析に有効なNPS®についても解説していきますので、CXを高めてよりよいサービスを目指したい方はぜひ参考にしてください。
コールセンターにおけるCX(顧客体験)とは
CXは「Customer Experience」の略で、顧客体験のことを指します。顧客が商品やサービスを買う際に、買ったもの以外から得た経験が顧客体験です。
たとえばカフェに来店した利用者はコーヒーの味だけでなく、店員の対応や店内の雰囲気など、さまざまな要素によってその店の印象を決めるでしょう。店員との会話や店でくつろぐ時間などを含めたすべての体験がCXであり、店側はCXを見直すことで全体的な評価を高められます。
このようにサービスそのものに付随するすべての体験をCXと呼び、CXを向上することで顧客満足度の改善や会社の拡大が期待されます。
CS(顧客満足度)との違いは?
CXと混同されがちな用語として、CS(顧客満足度)が挙げられます。
CXは過程に焦点を当てており、CSは結果を重視している点が大きな相違点です。CXは顧客への対応態度やスピード感など、顧客が体験するすべての事象を評価対象としますが、CSでは成果や売上総額などの結果のみに焦点を当てます。
すなわち、CXを向上させることにより、結果としてCSの向上が期待されます。両者は互いに連動している関係だといえるからです。
コールセンターにおけるCX向上のメリット
顧客と直接関わるコールセンターでは、CXがとくに重要です。ここからは、コールセンターにおいてCXを向上させることのメリットについてご紹介します。
他社との差別化を図れる
CXの向上によるメリットとして、他社との差別化を図れる点が挙げられます。ていねいできめ細やかなサービス提供は、ブランドイメージの向上につながるからです。最初から最後まで満足のいく体験ができた顧客は、再び同じブランドを利用したいと考えるようになります。
つまりブランドイメージが上がることで、異なる商品やサービスに関しても、同じブランドで購入しようと思ってもらえる可能性が高いです。仮に他社が同じような商品を扱っていたとしても、顧客はCXがよい会社を選びます。
このように、CXを高めることは他社との差別化を促し、顧客の獲得につながります。
リピーターの獲得につながる
CXを向上させることでブランドイメージが上がると、リピーターを獲得することも期待されます。一度質の高いCXを経験した顧客は、次回もまた同じ企業を利用しようとするからです。
リピーターが多ければ、会社は安定した利益を継続して見込めます。会社の運営を支えるためにも、CXに磨きをかけてリピーターを手放さないことが重要です。
口コミによる宣伝効果が期待できる
CXを向上させて企業を好むリピーターを獲得できれば、その顧客による口コミで新たな利用者を得られる可能性があります。最近ではSNSなどで個人が情報を発信することにより、絶大な広告効果が発揮されるようになりました。リピーターによる良い口コミは、企業にとって大きな力になります。
一方で、悪い口コミも広がりやすいことには注意が必要です。企業への悪いイメージが広がらないようにするためにも、CXを向上させることが重要です。
コールセンターでCXを向上させる方法
ここからは、コールセンターでCXを向上させる方法についてご紹介します。これからCX向上を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
顧客の声を集め、データとして分析する
顧客の生の声を聞いてデータを蓄積させ、よりよいCXにするには何が必要かを分析することが大切です。顧客との会話の中で今後の課題が見つかることもあれば、数値によって視覚化させることで見えてくるものもあります。
NPS®によるデータ収集も有効
データ収集の方法としては、NPS®がおすすめです。NPS®とは、アンケート調査によって「顧客がその企業をどのくらい他人に勧めたいか」を明らかにする指標です。
<NPS®の手順>
- アンケートを取る
- 集計する
- NPS®を計算する
アンケートと集計段階で、顧客を「推奨者」「中立者」「批判者」にわけます。また、NPS®は推奨者から批判者を引いた数値で導き出されるものです。
NPS®のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
<NPS®のメリット>
- 特別な技術や設備がなくても実施できる
- 評価を数値化できてわかりやすい
- 他社と数値を比較することで課題をつかめる
NPS®はアンケートというシンプルな手法を取るので、誰でも簡単に実行できるのが利点です。また顧客からの評価を数値化することで、他社と比較しやすく自社に足りないものは何かをあぶり出せます。
一方で、以下のようにNPS®には注意点もあります。
<NPS®の注意点>
- 日本人の国民性に注意が必要
- 数値だけでは見えないものもある
NPS®では10段階評価で0~6を批判者として集計します。日本人は中間を選びやすい傾向があるので、そこまで批判的に思っていない顧客も「6」を選べば批判者としてカウントされる点に注意が必要です。
NPS®ですべてがわかると決めつけるのではなく、数値だけでは判断できないこともある点に留意しましょう。
オペレーターのサポート体制を強化する
オペレーターのサポート体制を強化し、スキルの高いスタッフを増やすこともCX向上のためには重要です。離職率を下げるためには手厚い研修やマニュアルの充実、フォロー体制の確立など、オペレーターが働きやすい環境づくりに努めましょう。
CX向上の施策を考え実行する
企業ごとの規模や体制に合わせた、CX向上の具体策を練ることも大切です。そのひとつとして、チャネルの強化が挙げられます。電話だけでなくメールやSMSも扱っている場合は、チャネル同士を連携させて顧客といつ、どのようにコンタクトを取ったかを把握できるようにしましょう。
ほかのチャネルでのやり取りも把握しておくことで、よりスムーズな対応を取れるようになります。
まとめ
ここまで、CXを向上させるメリットや方法について解説してきました。CXを向上させることで、効率的で満足度の高い顧客対応を図ることが可能になります。
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