こんにちは。CCMLABO編集部のヨクキクです。今回はインハウスコミット株式会社の富田健太社長にアウトバウンドコールの必勝法と、これからの営業についてお話を伺いました。
「適材適所があたりまえの世の中」を目指して、起業
ヨクキク:富田さん、よろしくお願いいたします。
富田:よろしくお願いします。
ヨクキク:富田さんはどのような思いでインハウスコミットという会社を設立させたのですか?
富田:私は光通信という会社で営業をしてきました。退職してインハウスコミットという会社を設立した背景には、「適材適所があたりまえの世の中を作る。」という志があります。どんな組織にも、さらなる挑戦のために必要な才能があります。そして、どんな人にも必要とされる才能があります。本当に必要とされる場所に本当に必要な才能が届くように社会全体で「適才適所」を開拓し、人々を笑顔にしたいという思いがありました。
ヨクキク:「適材適所」は非常に大切ですよね。「どんな人にも必要とされる才能がある」というのは、感銘を受けます。企業が成長するための人材が必ずしも内部にいるとは限らないため、任された仕事で自分の才能を発揮できずに悩んでいる人も増えていますね。
富田:はい、そして、「適材適所があたりまえの世の中を作る。」という志の先に、人も企業も輝ける世の中にしたいと思っています。具体的には世の中を以下のように変えて行きたいと思っています。
1.ミスマッチを無くす事で多くの機会損失が無くなる
2.一人一人の持ち味が足りないところを補い合い、企業の課題を解決できるチームが世の中に増えている
3.自社の旗を振り、他社でも挑戦出来る環境で「働きがいを感じられない」と悩む人がいなくなる
4.不慮の事態で、人が解雇されることもない
5.共創するのが当たり前の時代になる
ヨクキク:素晴らしい志ですね。社会全体で働く人たちが才能を発揮できるようになることは、SDGsを実現することにつながると思います。志を実現するために、どのような事業を展開されているのですか。
富田:インハウスコミットでは、外部の働く人のスキル(才能)とスキルを必要としている企業(場所)でオンサイトに駅務提供できるような様々なマッチングサービスを提供していきます。外部のプロ人材をオンサイトで活用することには、以下のようなメリットがあると考えています。
1.社外に依頼するアウトソーシングより高品質に出来る
2.必要な頻度、必要な期間で雇用リスクなく活用出来る
3.業者付き合いではなく、ミッション達成を目指し切磋琢磨する仲間ができる
4.自社採用・育成・管理にかかる費用・時間がカットできる
5.新しいノウハウを蓄積できる
6.社内情報漏洩リスクが低い
7.意思疎通しやすい環境で企業の知見をかりて問題解決がしやすくなる
8.人材不足で滞っていた本職に専念でき、事業の収益化が進む
9.新しい企業文化や思考、スキルに触れる事でシナジーが生まれ士気があがる
ヨクキク:外部のプロ人材がオンサイトで活躍できるように支援する、志を実現するために企業にもプロ人材にもメリットがある事業モデルを構築されているわけですね。
プロに聞く、アウトバウンドコール必勝法
ヨクキク:CCMLABOはカスタマーコミュニケーションをテーマとしており、コールセンターの様々な事例を扱っていますが、例えば、コールセンターでは、どのようなプロ人材とのマッチングが考えられますか。
富田:コールセンターでは、アウトバウンドコールの専門人材を集めて、自社のチームとして活躍してもらう、というようなマッチングが考えられますね。インバウンドとアウトバウンドは専門性が異なるので、オフィスの空いているスペースに外部のプロ人材を集めてアウトバウンド専門チームを作り、インバウンドチームの手が回っていないアウトバウンド業務を行うというのは、メリットがあると思います。
ヨクキク:なるほど、インバウンド専門のAG(エージェント、以下AG)が兼務でアウトバウンドコール業務に従事するわけではなく、外部の専門人材を登用して、アウトバウンド専門チームを作ってしまうということですね。
富田:はい、その通りです。当社にはアウトバウンドコールの専門人材も多数おりますし、アウトバウンドコールの必勝法のノウハウも蓄積していますので、即戦力のチームを蘇生することができます。
ヨクキク:アウトバウンドコールの必勝法、とても気になります。アウトバウンドコールチームを作って欲しいと依頼を受けた時、具体的にはどのようにチームを作って、稼働させていくのですか。
富田:アウトバウンドコールのチームを作るご依頼を頂いた時、現状業務もしくは、これから始めたい業務の内容をアセスメントし、業務を設計することから始めます。主に以下の3つのポイントで業務設計を実施します。
提案したい内容の整理と顧客の課題仮説を構築する
アウトバウンドコールはこちらから電話をかけて、商品やサービスのご提案、もしくはご提案のためのアポイントを取得することが目的となります。そのため、お電話で何をお伝えし、どのようなお約束をすればいいのかを整理します。
その上で、ご提案する内容を求めているのはどのようなお客様で、どのようなパターンがあるのか仮説を立てます。
課題仮説にアプローチできるトークスクリプトのバリエーションを複数用意する
1で立てた仮説を元に、どのようにお客様に内容を伝えるかをトークスクリプトにしていきます。この時仮説ごとにお話の仕方を変えることはもちろん、同じ仮説でもどのような角度でお伝えするのが効果的なのかを考えて複数のバリエーションを用意します。
リストの適正な運用方法を決める
アウトバウンドコールは、英語でコールドコールと呼ばれています。ファーストコンタクトの段階ではお客様はこちらのご提案に全く興味がないからです。したがって、まず興味を持っていただくことがとても大切です。一度きりのお電話でお客様との信頼関係を勝ち得ることは難しいですし、タイミングによってお客様の興味も変わっていくので、複数回のお電話をすることが多くあります。業務を始める前に、お客様が不快に感じられないよう、複数回お電話する場合にもどれくらいの間隔を空けるのかを決めたり、「もうかけないで欲しい」とおっしゃられたお客様に間違えてお電話してしまわないようにリストから除外したりといった適正なリスト運用方法を決めます。
ヨクキク:段取り八分というか、入念に準備をされるのですね。
富田:はい、きちんと業務を設計することで、プロ人材の力を十分に発揮することができるようになります。設計が完了したら、プロ人材にスクリプトを覚えてもらい、ロールプレイをして準備した上で、実際にお電話を始めます。この時、不向きな人材だと準備に非常に時間がかかりますが、プロ人材は経験豊富なので、この準備の時間が短く、また応用を考えてPDCAを回せることができるため、素早く成果を出すことができ、また継続的に成果を出すことができます。
長年営業に向き合ってきたからこそ、これからの営業の形が見えてくる
ヨクキク:プロフェッショナルの富田さんから見て、営業はこれからどのように変わっていくと思いますか。
富田:世の中全体のDXが進み、これまで紙媒体だった顧客管理の仕組みが、CRMシステムに切り替わって効率がよくなると、お客様との対話が増えています。営業の本質は、お客様が抱えている課題を引き出し、解決できるご提案をすることですので、お客様のお話を聞くことが非常に重要です。その点でDXで周辺の作業効率が向上して、お客様とお話しする時間を長く取れるようになることは喜ばしいことですし、先端の技術は積極的に活用していくべきだなと感じています。
ヨクキク:最近では様々な業務にAIが導入されるケースも増えていきていますね。その点については、どのようにお考えですか。
富田:日本は少子高齢化という事もあり、働き手が減少し将来はAIの普及が進んでいます。これは事実です。しかし、お客様の知らなかった情報をお客様の中にあるニーズに適した形に変換して伝えるコミュニケーションが必須の営業は、どんなにAIが普及してもなくならない職業だと思っています。私自身も今までの経験にさらに磨きをかけて営業を極めていきたいと考えてこの仕事をしております。コロナ禍で世の中の働き方が変わり、対面の営業の機会を減らすことが求められ、非対面の営業が増えてきています。しかし対面、非対面問わずお客様と対話し、ニーズを満たす提案をすることが本質です。本質を忘れず、これまでの常識にとらわれず、営業を極めていきたいと思っています。
ヨクキク:大変勉強になりました。富田さん、本日はありがとうございました。
富田:ありがとうございました。
富田健太さんプロフィール)大手商社にて西日本の営業直営事業部を管轄、その後、営業やIT会社にて事業部長や社長などを経験し新規事業立ち上げや他社の営業支援、コンサル業など行う。その後インハウスコミットを立ち上げ代表取締役を務め、適才適所を開拓し人々を笑顔にする理念を掲げマッチングサービス等を提供しお客様の課題を解決している。